46歳、人生初めての映画づくりは大変だったけどおもしろかった~リュミエールスタイルで撮影する映画ワークショップ体験

私が初めて脚本・監督・出演した映画が、来週12/28(水)19:00〜に初めて一般上映されます!ほんとなんです!
いったいなんのこっちゃな書き出しですが、順を追って説明していきますね。
今年の秋に、以前から一度やってみたいと思っていた、大阪の映画館プラネットプラスワン主催のシネマ・スコラという映画作りのワークショップに参加しました。
映画の始祖リュミエール兄弟が世界で初めて撮影したスタイルの、サイレント白黒16ミリフィルムで、撮り直し無しの一発本番、固定カメラで撮影するという、126年前の映画作りを体験するワークショップです。

プラネット・プラス・ワン代表で講師の富岡邦彦さん
20年以上前に私が映画館で働いていた頃からの知り合いでもあります
指の映り込みは気にしないで!
映画の歴史や撮影映写の仕組みを学ぶ教養講座から始まり、

昨年は受講生だった技術講師の福西広和先生、本職はプロの写真カメラマン
これは感光しないようにブラックバック(光の入らないカバン)の中で
カメラのフィルムを手探りで交換しているところ

映画館の心臓部、映写機
フィルムの通り道を指でなぞり教えてもらう

今年は大阪の橋が撮影舞台ということで、ゲスト講師、大阪歴史博物館学芸員の船越幹央先生による、橋にまつわる歴史講座も。

”なにわ八百八橋”と言われるほどある(実際は758橋)大阪の橋の歴史は
興味深くて、いくら聞いても飽きませんでした
そしてキーワードの書かれたカードを引いて、落語の三題噺のようにストーリーを作る作劇の練習。

3枚のカードをひき、書かれたお題をもとに即興でお話を作ります
作れなかったら宿題になりました

受講生の作品はどれも1分間。その1分間で起承転結をどう成り立たせるか。そもそも成立しているのか、オチがついてるのか、矛盾していないか、セリフがないので見ただけで伝わるものになっているのか。

受講生の考えたストーリーをボードに書き出して整理
講師の松岡奈緒美先生らのアドバイス起承転結がはっきりとした
ロケハンにも行きました。

いい天気で気持ち良かったー
大阪の中之島界隈は景色もいいし

衣装を作り、

軍手にファーをボンドで貼り付ける
ファーって切ると毛が大量に散らばるんですね
(そうじが大変だった)

小道具を作り、

実はこれにたどり着くまでに2つ失敗して捨てています

いよいよ撮影。

これは他の受講生の撮影時。自分の時は余裕がなくて撮れなかった…
撮り直しのきかない緊張感、半端なかったです

脚本では成り立ってたのに、撮影になると思い通りにならなかったり、ハプニングがあったり…終わったらへとへとになってましたが、とても楽しくてやりがいのある体験でした。

撮影したフィルムは現像し、編集前の試写会(いわゆるゼロ号試写?)。その後、編集作業。といっても、シーンを細かく切ってつないでということは極力行わず、本番後に撮影したタイトル映像部分を切り出し、順番を入れ替えるくらいなんですが。

本番のあとに撮影したので、本編のあとに流れるタイトル映像を…

スプライサーという特別な道具でフィルムをカット
つなぎ合わせるのはスプライジングテープという、これまた高価な透明度の高い特別なテープ
貼り方にもコツがあり、慣れないうちは映写機が止まる原因になりやすい
そうして完成した作品達は、リュミエール兄弟が世界で初めて映画を商業公開したシネマトグラフの日に、リュミエール兄弟の作品集と合わせて一般向けに初上映されます。

主演は友人の真嶋淳太くん
実はもう一人、真の主人公もいるのですが…

私の作品タイトルは『はらペコのライオン』。冒頭に私と末っ子も出演しています。

キーパーソンに同い年の、昔私が入っていた劇団維新派の後輩(笑)で、友人の真嶋淳太くんに出演をお願いしました。真嶋くんや皆さまのご協力あって、なかなかの傑作になっています!どうぞ劇場でお確かめください。

お近くでお時間のある方はぜひよろしくです!

「映画上映127年記念 リュミエール作品集」
12/28(水)19:00〜 プラネットプラスワン中崎町)にて 入場料 1000円
■1895年12月28日。127年前のこの日。パリのグラン・カフェ“サロン・インディアン”で最初にスクリーンに動く映像を映写し興行したのがリュミエール兄弟の“シネマトグラフ”であった。」
■今回はいつものLUMIER'S FIRST PICTURE SHOWのプリントに新たに入手した「水を掛けられた庭師」の1895年版と「列車の到着」の別版を追加。新たなオリジナル編集版で。
■夜の回はリュミエールのスタイルで2020~22年に新たに撮影したシネマ・スコラ作品を併映します。

プラネットプラスワンシネアストオーガニゼーション大阪cinema schola film work shopFacebookがさらに詳しいので、そちらもぜひご覧ください。

◆やってみた感想◆ 撮影が終わった後は「こんな大変なこと二度とやりたくねえ…!」
って思ったんですが、出来上がった作品を見ると
「ああ、あそこもっかい撮り直したい、次はうまく撮れるのに、ぐぎぎぎ…」となってました。映画の魔力とはこのことか。
若かったらここから深みに入るんだろうな。私の場合、すべてを投げ打ってのめり込みそうだから、分別のつく歳になってからやってみてよかったと思いました。